あゆちゃんはめったに泣きません。
泣くのはどこか痛い時。
それもすごく痛い時。
注射くらいじゃ泣きません。
骨を折った時には泣きました。
みんなも一緒に泣きました。
双子の妹ゆりちゃんが
群馬へ引っ越した時も
ニコニコ見送ったあゆちゃんでした。
でも1か月して
ゆりちゃんの声を電話で聞いた時
これまで見たことがないほど
強く激しく泣きました。
骨を折った時より泣きました。
顔中ぐしゃぐしゃにして
全身をつっぱらせて泣きました。
ゆりちゃんが引っ越してから
何度も
寝て起きて寝て起きて寝て起きて…
なのに
おはようもおやすみも聞こえない
ゆりちゃんの声が聞こえない…
ただいまって 笑う顔が見えない…
ふたたび何度も
寝て起きて寝て起きて寝て起きて…
もう ゆりちゃんが
「あゆみ!」って
かけ寄ることは ないの?
ゆりちゃんの「バイバイ」は
「ただいま」のない
「バイバイ」だったの?
時とともに「さよなら」が
骨身にしみて泣いたのでしょう。
たまらなくなって泣いたのでしょう。
あゆちゃんは
もしかしたら
私たちよりじっくりと
私たちより深いところで
ものごと そのものを
感じ取っているのではないかと
教えられた出来事でした。
「あの時」
「あそこ」にいた人たちも
言葉にできずとも感じ取っていたはずです。
何の音?
刃物で刺された うめき声 叫び声
これまで聞いたことがないような
恐ろしい声が響く。
声がどんどん近くなる。
足音が隣りで止まる。
助けて…
叫んでるのに
声にならない。
誰も来ない。
逃げたくても動けない。
動くのは眼球だけ。
できるのは ただ
息をつめて
身体をこわばらせることだけ。
どんなに、どんなに
恐ろしかったことでしょう…
痛かったことでしょう…
相模原の事件で犯人は
「この人は話せるのか」と
職員に確かめて、
話せない人を殺したそうです。
話せなくても感じるのに。
話せなくてもわかるのに。
そんな話をしていたら
いつの間にか
あゆちゃんの目から涙がポロポロ…
そういえば
小さい時ゆりちゃんが泣くと
決まって一緒に泣いていたあゆちゃんです。
あゆちゃんが泣くのは
すごく痛い時ともうひとつ、
誰かが泣いている時でした。
共に泣くことで
共に痛み
共に訴えているのかもしれません。
たとえ
何もできないように見えても
役にたたないように見えても
不幸せそうに見えても
わたしたち を殺さないで、と。
あなたと違うように
見えるかもしれませんが
あなたと同じように
おなかもすくし
切ったら血が出る、
優しくされると嬉しいし
あったかいお風呂は気持ちいい。
好きか嫌いかではなく
良いか悪いかでもなく、
あなたと同じように
不思議な巡り合わせによって
奇跡のように与えられた命を
今日も一日生きている、
重症心身障害者ではなく
ひとりひとり
自分の名前がある、
わたしたちを殺さないで。
あゆちゃんは
嘆くことも
この世を厭がることも
絶望することも なく
たいてい いつも笑って
ごくたまに涙して
ささやかな生を生きています。
言葉にならないその訴えは
あまりにか細くはかなくて
誰に届くのだろうか、
誰かに届きますように、と
祈らずにはいられません。
でも祈るだけでは足りない。
あゆちゃんたち に
希望の分け前をもらって
ちっぽけでも できることから
一緒にやっていきます。
9月から ♪あゆちゃんち♪ は
施設に入所している障害児者さんへ
ヘルパー派遣をいたします。
訪問介護事業所 ♪あゆちゃんち♪ は、障害を持つ人が地域で暮らすお手伝いをしたいと願って、板橋区内の障害児者さんにヘルパーを派遣しています。
その中で、施設に入所している方が地域で過ごすためのお手伝いができないか、と考えるようになりました。
施設に入所している障害児者さんと地域の大人や子供が ♪あゆちゃんち♪ で一緒に楽しく過ごすうちに顔見知りになってくれたら…どんなに嬉しいことでしょう。
今回の事件があって、ますますその思いは強くなりました。
どこに住んでいても、
障害が重くても、
一緒に生きてほしい。
小さな一歩を踏み出す訪問介護事業所 ♪あゆちゃんち♪ は、ただ今 一緒にお仕事する仲間を募集しています!
社長&お茶出し担当あゆちゃんが自家製ハーブティーを作ってお待ちしてますよ♪( ´▽`)
(コッソリあゆちゃんの秘書も募集中です^o^)
詳しくはこちら↓をご覧ください。
http://ayuchan.jp/
ご応募お待ちしています!